前回に引き続き、今回も新企画【大人のアフター5】のリポートです。
日本の伝統芸能といえば、能、歌舞伎、落語、さらには浄瑠璃なんていうものもありますが。中でも「狂言」を見ることって、なかなかないのではないでしょうか。能と共に上演されることも多く、敷居が高~いイメージですが、今回は映画と狂言が一緒に楽しめる「継承」をテーマにしたイベントが開催されると聞き、訪れてみました。
劇場はも渋谷から5分ほどの渋谷区文化総合センター大和田。
能楽堂ではないあたりも、敷居が低くてありがたかったです。
今回のイベントは、狂言2大流派の一角を担う大藏流の狂言と映画を鑑賞します。
親から子へ、師から弟子へ
650年の伝統を守る大藏流狂言が示唆する、すべての「家族」のための物語
というのが、イベントのテーマ。残念ながら内部は全て写真がNGでしたので
ので、文字のみでのお伝えです…。
まずは、「よあけの焚き火」という映画を鑑賞。大藏基誠さんと康誠さん親子が、口伝と身体的体験によって伝えていく芸の「継承」、そして名前や精神そして大藏流そのものの「承継」をするというドキュメンタリーのような物語です。
親子でありながら師と弟子という不思議な関係の2人。戸惑いや迷いの中で、彼らを通して考えさせられるのが、次世代へつないでいく、ということ。まさに「継承」という言葉を深く考えさせられる作品でした。
続いて、実際の狂言鑑賞となりました。演目は映画でも出てきた「痿痢(しびり)」という作品。まさに継承を目撃するという重い意気込みで挑んでいましたが、演目自体がとても面白くて、始終楽しい気持ちでクスクスと笑ってしまいました。映画では10歳だった康誠さんが、現在14歳と立派な役者さんとなっていて、成長を見られたのもおもしろかったです。
自分の言葉で、何をどう伝えるのか、ということをとっても考えさせられる、貴重なイベント体験でした。
残念ながら次回のイベントはまだ開催が未定ですが、大藏流狂言の公演は定期的に開催されていらっしゃいます。また、同じく2大流派の1つである和泉流の狂言もオススメです。
映画はブルーレイなどで見ることができますので、ご興味のある方は、ぜひ鑑賞してみてください。
機会がありましたら、近々狂言鑑賞もしてみたいと思います。
■「よあけの焚き火」公式サイト■